新卒で総合病院に入職する際、「自分に合う診療科が分からない」「どうやって選んだらいいのだろう」と悩むことは多いと思います。
私も看護学生のとき、どの診療科を希望しようか大変悩みました。
この記事では、各診療科の特徴と向いてる人、診療科を選ぶ方法を紹介します。
後悔したくない看護学生さん、新卒看護師さんはぜひ最後までご覧ください。
診療科を選ぶポイント
診療科を選ぶ際には、自己分析をして以下の項目を整理することが大切です。
ぜひ紙とペンを用意して書き出してみましょう。
どのような看護師になりたいか
自分のなりたい看護師像を明確にしてみましょう。
そして、目指す看護師像に近づくため必要なスキルが何であるか、それに沿った経験ができるのはどの診療科かを考えます。
例:急変時に冷静な判断ができる看護師になりたい→急変対応が多いICU、救急科など
自分の強み、どんなことにやりがいを感じるか
自分が希望する将来像と自分の強みとの間にギャップが生じている場合があります。
自分はどんなことが得意で何にやりがいを感じるかを書き出してみましょう。
例:患者さんとのコミュニケーションが得意→精神科など
どんな働き方をしたいか
将来、自分がどのように働きたいかを考えてみましょう。
例:患者さんひとりひとりに時間をかけて向き合いたい→内科
ワークライフバランスを大事にしたい→外来
各診療科の特徴と向いている人
外科
外科は手術が適応となる患者さんを対象とし、患者さんの回復過程がはやいのが特徴です。
手術前後の処置や検温、入院対応、術後管理など入院や手術に関わる業務が多くあります。
外科の看護師には、仕事の優先順位を決める判断力と素早く的確なアセスメント力が求められます。
術後に患者さんが元気に回復していく姿を見てやりがいを感じることができます。
周術期看護を極めたい人やスピーディーに業務をこなすのが得意な人が向いていると言えるでしょう。
内科
内科は、薬物療法が適応となる患者さんを対象とし、入院期間は比較的長く回復過程がゆっくりな患者さんが多いです。
疾患が目で見て分かるものが少ないため、患者さんの些細な変化に気づくことができる観察力が求められます。
患者さんとじっくり関わりたい人や細かい観察力がある人におすすめです。
精神科
精神科は、うつ病や統合失調症などの患者さんを対象とし、急性期から慢性期まで長期的に支援します。
精神科の患者さんは、人とコミュニケーションをとることが苦手な方や、自傷行為や他害行為に及ぶ方もいます。
そのため、忍耐強く患者さんの話を聞くことが求められます。
ときには患者さんの安全を守るために力が必要な場面があるでしょう。傾聴ができる人、体力がある人が向いています。
また、患者さんの思考に引っ張られない精神力のある人が向いています。患者さんの気持ちに自分のメンタルが引っ張られやすい人は注意が必要です。
小児科
小児科は0歳から15歳までも子供を対象とし、まれに脳性麻痺のような先天的な疾患を持っている20歳以上の成人の患者さんもいます。
治療だけでなく、子供の成長過程のサポートも大切な業務になってきます。
子どもは大人のように自分の症状を的確に伝えることができません。
細かな観察力やアセスメント能力が求められ、子どもが好きな人はもちろんのこと、観察力を高めたい人におすすめの診療科です。
産婦人科
産婦人科は妊産婦さんと婦人科系の疾患を抱える患者さんが対象です。
妊娠から出産後までの看護や周手術期の知識が必要とされます。
産科は、妊娠から出産にわたるまでのさまざまな支援や不妊治療などを扱い、助産師との連携が求められるます。
一方、婦人科は子宮がんや卵巣がんなどの女性特有の悪性腫瘍、子宮内膜症・子宮筋腫などの良性疾患を扱います。
産婦人科は、デリケートな治療内容であったり、女性として体の一部を失うことへのショックが大きい患者さんもいるため精神的ケアがとても大切です。
相手の気持ちを考え、女性の不安や悲しみに寄り添える人が向いている診療科です。
整形外科
骨・筋疾患を対象とした手術療法や保存療法を行い、周術期看護や疼痛コントロールなどの技術が必要です。
病棟リハビリテーションや転倒防止の介助、入院対応、オペ出しオペ迎えなど多職種と連携する機会が多く、コミュニケーションが得意な人が向いています。
リハビリ看護に興味がある人、周術期看護を極めたい人、退院支援の経験を積みたい人におすすめの診療科と言えます。
オペ室
オペ室の看護師は手術での器械出しと外回りと執刀医のサポートの役割があります。
執刀医の動きに合わせて臨機応変に対応していかなければならないため、臨機応変な対応が得意な人に向いています。
一方、患者さんとコミュニケーションをとる機会が少ないため、コミュニケーションをやりがいにしている看護師にとっては物足りなさを感じるかもしれません。
ICU、HCU、救命救急
集中治療室、救命救急科は外科や内科の垣根がないため、看護師として幅広い経験を積みたい方におすすめの診療科です。患者さんを助けることができたときのやりがいは非常に大きいでしょう。
観察力だけでなく、医療機器の操作やモニターの正しい解読、急変対応などが求められます。
また、いつどのような状態に急変するか分からない患者さんが来院されるため、業務の正確さ、スピード、臨機応変さも必要です。
常に緊張感のある環境が苦手な人には向かない診療科でしょう。
耳鼻咽喉科、眼科
耳鼻咽喉科や眼科は他の診療科と合わせて混合病棟になっている場合が多いです。
視力や聴覚に関する検査や手術、感染症や悪性腫瘍の治療を行います。
多くの疾患の経験を積みたいと考えている看護師に向いています。
私の診療科選びの後悔 自分の適性を考えて選ぼう!
最後に、私が新卒で総合病院に就職した際にどのように診療科を選んだのか、体験談を話します。
私は呼吸器・耳鼻科の混合病棟を第一希望に選択し、希望通り配属になりました。
選んだ理由は、最初に呼吸器のアセスメントが身につけば、その後どの診療科に移っても知識が活かせるのではないかと考えたからです。
実際、呼吸器の異常は生命に直結してしまうので、急変対応も他病棟に比べて多く、迅速な判断力と高度なアセスメント力が求められました。
そのため、先輩方は1年目の私たちにも求めることはハイレベルですし、手取り足取り教えている余裕などない状況で、先輩方の姿を見て吸収するしかありませんでした。
また、私は効率とスピードさを求められるのがとても苦手だったので、負担が大きく、呼吸器病棟を選択したことを少し後悔しました。
みなさんに伝えたいのは、1年目にどの診療科へ行っても看護技術は取得できますし、勉強になることはとても多いので、自分の適性を考えて選ぶことをおすすめします。
まとめ
それぞれの診療科には特徴があり、向いている人が異なります。
自己分析をして、なりたい看護師像と自分の適性を整理し、後悔しない選択をしましょう。
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